「水を葡萄酒に変えられたキリストと弟子たち」
  ヨハネによる福音書2章1節~12節
  牧師:佐藤勝徳

ガリラヤのカナの婚礼において、「葡萄酒が無くなる」というハプニングが起きました。その時、婚礼に招待をされていたキリストが、手伝いの人達に一つが80リットルから120リットル入る6つの水ガメに水を一杯入れさせ、それを全部美味しい葡萄酒に変えて婚礼を祝福されました。それをそばで見ていたのが、キリストと共に婚礼に招かれていた4人の弟子達でした。ペテロとアンデレとピリポとナタナエルです。彼らは、その奇跡に驚き、キリストは神から遣わされた神の御子・救い主だと信じたのです。しかし、その時の弟子達は、キリストが水を葡萄酒に変えられたように、やがて自分達が敵をも愛する無条件の愛という「神の絶対愛」に生きる人に変えられるとは夢にも思っていなかったのです。多くの人は親子愛、兄弟愛、恋愛、友人愛、師弟愛等、条件付き愛で生きていますが、キリストのように敵を愛する無条件の愛で生きている人はいません。弟子達もそうでした。彼らはキリストのように、敵をも愛する無条件の愛という「神の絶対愛」をもって生きて行く愛の人に変えられるとは夢にも思っていなかったのです。

十字架にかかられる前夜、キリストは弟子達がご自分を裏切る事を告げられ、一番弟子のペテロに向かって「あなたは今夜、鶏が鳴く前に私を知らないと三度言うであろう」と告げられました。それを聞いたペテロや弟子達は、「たとい、ごいっしょに死ななければならないとしても、私は、あなたを知らないなどとは決して申しません。」と断言したのです。しかし、キリストがローマの兵隊に捕縛された時、弟子達は皆逃げてしまいました。又、ペテロは、「あなたもナザレのイエスの仲間だろう」と言われた時、「イエスなんか知らない」と三度強く否定したのです。すると、キリストが告げられた通り、鶏が「コケコッコー」と鳴きました。ペテロはキリストの言葉を思い出し、キリストを裏切った事に心を痛め、激しく泣いたのです。その出来事を通してペテロは自分には敵をも愛する無条件の愛という「神の絶対愛」がない事を悟りました。

ご復活をされたキリストは、弟子達に40日間にわたって現れてご自分の復活を証明されました。その後、天に昇って行かれましたが、昇天される直前に、弟子達に「聖霊があなた方にくだる時、あなた方は力を受けて、エルサレムとユダヤとサマリヤの全土、さらに地の果てまで私の証人となるであろう」と約束されました。その約束通り、「ペンテコステ」という祭りの日に、約120名の弟子達に聖霊がくだり、彼らは深い平安と喜びに満ち溢れました。聖霊を受けた弟子達は、その後、十字架で無条件の愛を示されたキリストの証人として、実際にキリストのように無条件の愛という「神の絶対愛」に満たされて歩んだのです。

私は、18歳の時、真実を追い求め教会の伝道集会に初めて参加しました。その集会で、青森の寺田牧師が、ミス青森と呼ばれた「岩谷さん」の事をお話しされたのです。岩谷さんは、友達に妬まれて顔に劇薬をぶっかけられ美しい顔を失いましたが、聖書を読んで、大事なのは顔でなく心だと気付いたというのです。又、それまで顔を自慢して傲慢になっていたその罪の赦しの為にキリストが十字架で身代わりの刑罰を受けられたと知り、これまでの傲慢の罪を心から悔い改め、キリストの罪の赦しを受け入れられました。その時に、決して赦す事ができなかった友人を心から赦す事ができるようになり、又、刑務所から出所し友人の身元引受人になり、彼女と共同生活を始める無条件の愛の人に変えられていたのです。私は、その岩谷さんの話を聞き、無条件の愛の無い人を無条件の愛に生きる人に変えて下さるキリストこそ、私が求めていた真実なお方だと心から信じたのです。その時から、私の人生も自分の楽しみ中心の生活から、キリスト中心、教会中心の生活へと一変させられたのです。

水を葡萄酒に変えられたキリストは、あなたを、祝福に満ちた無条件の愛の人に変えて下さる事ができるのです。そのキリストをあなたがご自分の心の中に受け入れられますようにお祈りします。