「主の日が来る前に起こる出来事」
聖書:Ⅱテサロニケ2:1~17
牧師:佐藤勝徳
1、主の日は来ていない
Ⅱテサロニケ2:1~17は、Ⅰテサロニケ5:1~11でパウロが取りあげた「主の日」の到来の事が重要なテーマとし書かれています。初代のギリシャ地方にあるテサロニケ教会の人たちは、聖書の教える「主の日」と呼ばれる7年の大艱難時代の事をしっかりと学んでいました。「主の日と」はイスラエルと世界の不信仰に対する神の怒りによる恐ろしい大災害が世界に7年続く時代の事を意味しています。その大災害はそれまでの世界が体験したことが恐ろしいものです。黙示録によると4分の3の人が死滅し、4分の3の自然界が破壊されます。テサロニケの教会のキリスト者は、その7年の大艱難時代後にキリストは地上に再臨され、イスラエルを中心とした平和なメシヤ的王国を実現して下さると信じていました。しかし、恐ろしい「主の日」がいつやって来るのか、その点について、少々迷いがあったようです。それ故に、まだ「主の日」が来ていないのに、「主の日」が来たと教える偽教師に振り舞わされて、神の怒りである大艱難時代の様々な厳しい災いを受けるのではないかと、「落ち着きを失ったり」「心を騒がせる」キリスト者たちが起こりました。それに対して、パウロは「主の日がすでに来たかのように言われるのを聞いても、すぐに落ち着きを失ったり、心を騒がせたりしないでください。2:3 どんな手段によっても、だれにもだまされてはいけません。まず背教が起こり、不法の者、すなわち滅びの子が現れなければ、主の日は来ないのです」と伝えました。
2、キリスト者は「主の日」から救われる
パウロは、テサロニケのキリスト者の一部が、偽教師の教えに騙されていたので、「落ち着きを失ったり」「心を騒がせる」事がないようにという事と「どんな手段によっても、だれにもだまされてはいけません」と二つの警告を発信しました。キリストを信じて永遠の罪が赦されて永遠の義人とされ、聖霊を心に宿しているキリスト者の私達は、絶対に「主の日」と呼ばれる神の怒りによる裁きには合わないように、空中に来られたキリストによって携挙される事を、パウロはテサロニケのキリスト者に繰り返し教えてきたました。その事を彼らが思いだして、「主の日」が来たと言われてもキリスト者であるあなたがそこに存在している事は、「主の日」はまだ来ていない証拠なので、「安心するように」とパウロは呼びかけました。キリストを信じて罪が永遠に赦され永遠の義人にされた全てのキリスト者は、最後の審判において神の怒りによる永遠の火の池に投じられる裁きと、「主の日」における全世界に臨む神の怒りによる裁きと、死後の裁きの三つから永遠に救われている事を、パウロはローマ書とテサロニケ人への手紙で明確に教えています。
「ロマ5:8 しかし、私たちがまだ罪人であったとき、キリストが私たちのために死なれたことによって、神は私たちに対するご自分の愛を明らかにしておられます。5:9 ですから、今、キリストの血によって義と認められた私たちが、この方によって神の怒りから救われるのは、なおいっそう確かなことです。」
「Ⅰテサ5:9 神は、私たちが御怒りを受けるようにではなく、主イエス・キリストによる救いを得るように定めてくださったからです。」
「ヘブル9:27 そして、人間には、一度死ぬことと死後にさばきを受けることが定まっている」
以上の3つの聖句は、キリストを信じてキリストの十字架の血による永遠の罪の赦しに預かり、永遠に義人とされた全てのキリスト者は、平等に最後の審判における神の怒り、主の日の神の御怒りから救われる事、死後の裁きから救われる事を明確に教えていますので、決して「主の日」を通過する事が無いと安心をしておくべきなのです。その上で「どんな手段によっても誰にもだまされないように」にすべきなのです。
3、主の日の到来を告げる歴史的目印の出来事
その為に、パウロは、「主の日」の到来の歴史的目印を二つ教えました。それは、先ず「教会携挙」が起こるという事です。「主の日」が来る前に必ず全ての真のキリスト者の携挙があるというのが、聖書の教えです。最初に述べましたように、キリストにある人は、神の怒りの日である「主の日」から救われるというのがパウロの教えです。「主の日」が来る前に確実に起こる事は「教会携挙」です。その時に、心に聖霊を宿している全て真のキリスト者が地上からいなくなるのです。それは、「主の日」が来る前に起こる大きな衝撃を世界に与える明確な歴史的目印です。次に、パウロは主の日が来る前に「不法の者、すなわち滅びの子が現れる」と教えています。その不法の者が何をするのかをパウロは教えています。「不法の者は、すべて神と呼ばれるもの、礼拝されるものに対抗して自分を高く上げ、ついには自分こそ神であると宣言して、神の宮に座ることになります。」
彼は、一時的全ての宗教を認めながらも一つに統合し統一宗教を造ります(黙示17:1~5)。そこには、全ての人を支配する大バビロンが大淫婦と呼ばれています。大淫婦と言うのが創造主に背く「宗教」の都大バビロンを意味しています。反キリストは大バビロンを通して、神の背く統一宗教によって世界の人々を支配します。しかし、主の日の3年半が来た時に全ての宗教を廃止して、自分を高く上げ自分が神だと宣言し、神の宮に座る」と言うのです。神の宮に座るというのが、ダニエルが9章27節で預言し、キリストが教えられた「荒らす忌むべきものが聖所に立つ」と言う事です。彼は自分の偶像をエルサレムの第3神殿に立てて、そこに自分が着座するのです。パウロは、その事をテサロニケの聖徒の兄弟姉妹に繰り返し教えていました。「2:5 私がまだあなたがたのところにいたとき、これらのことをよく話していたのを覚えていませんか。」
4、エルサレムの第3神殿の建立座する神の宮は、現代のユダヤ人が建設を望んでいる第3のエルサレム神殿です。エルサレムには現在神殿はありませんが、必ず第3神殿は建つのです。そうでないとキリストが預言された「荒らす忌むべきものが聖所に立つ」という預言と、パウロが預言する不法の者が「宮に着座する」と言う預言が実現しません。黙示録11章を見ると、その第3神殿が7年の大艱難時代の前半には建っている事が啓示されています(黙示11:1~2)。主の日が来る前に、今のエルサレムに第3神殿が必ず建ちます。
5、「北の連合軍のイスラエル侵略」「預言者エリヤの再来」「闇の日」
「教会携挙」「不法の者の出現」「第3神殿の建立」以外に、「主の日」が来る前に三つの出来事が起こります。第1にロシアを中心とした6っか国で形成される「ゴグ・マゴグ」と呼ばれる北の連合によるイスラエル侵略です。(エゼキエル38章39章)。第2にイスラエル民族の為の預言者「エリヤ」が再来する事です。エリヤはイスラエルの壊れた親子関係を修復する為に遣わされます(マラキ4:5~6)。第3に、世界中が闇に覆われる「闇の日」と呼ばれる時が来ます。ヨエルが次のように預言しています。「「ヨエ 2:31 【主】の大いなる恐るべき日が来る前に、太陽はやみとなり、月は血に変わる。」
7年の大艱難時代の前に起きる6つの出来事は「教会携挙」、「ロシアを中心とした北の連合軍によるイスラエル侵略」、「反キリストの登場」、「エルサレムの第3神殿の建立」、「預言者エリヤの再来」、「闇が世界を覆う」と言う出来事です。以上の出来事は、順番は分かりませんが、「主の日」が来る前に必ず起こる出来事です。あなたの知っている多くのクリスチャンたちが、突然地上からいなくなり、天に携挙される時が必ず来るのです。その事が起これば「主の日」が近い事を覚えて下さり、聖書には嘘がない事を信じて下さい。そして、聖書が教える救い主イエス・キリストを信じ、永遠の滅びから永遠のいのちへ、永遠の火の池から、永遠の平和と喜びが続く新天新地の神の御国へ導かれて下さい。