「これからの世界はどうなる」
聖書:ダニエル7章1節~28節
牧師:佐藤勝徳
聖書は、キリストが約2000年前に誕生された時から「終末の時代」に入った事を教えています。その終末時代の世界に歴史的順番にどのような支配体制が起こるのかを、特にダニエル書7章が預言をしています。ダニエルはユダヤ人ですが、古代のバビロニアとメド・ペルシャの王たちに仕えた高官でした。ダニエルは王たちが見た夢や幻の意味を神さまによって解き明かす事が出来ました。また、彼自身も不思議な幻で古代帝国がどのように変遷していくのか、終末時代にはどのような支配体制が世界に起こるのかを幻で示されました。7章では、この地上の世界を象徴する大海より、4つの獣が上がって来る幻をを見ました。第1の獣は(7:4)、「獅子」のようで、「鷲」の翼をつけています。獅子は百獣の王であり、BC606年に興ったバビロン帝国の偉大さを物語っています。第2の獣は(7:5)、横たわった熊ですが口に3つの肋骨を加えていました。それは、バビロニア帝国を滅ぼしたメド・ペルシャを意味していました(ダニ5:30)。3つの肋骨はメド・ペルシャによって滅ぼされたルディア帝国、新バビロニア帝国、エジプト帝国を意味しています。第1の獅子で表現されている「バビロニア」、第2の熊で表現される「メド・ペルシャ」はについては、ダニエルの生きている時に現れた帝国です。第3の獣と第4の獣は、ダニエルの死後に現れる帝国ですので、預言となっています。第3の獣は (7:6)も、突然現われ、「ひょう(豹)」のような獣で、背には四つの翼と四つの頭がありました。豹は動物の中でも非常に巧妙で迅速です。豹と預言されたのはギリシアのアレクサンドロス大王とその世界征服です。。豹の持つ「四つの翼」と「四つの頭」は、大王の死後にギリシア帝国が四つに分裂し、四つの王朝となることの預言です。エジプトのプトレマイオス王朝、シリヤのセレウコス王朝、マケドニヤのアンティオゴノス王朝、小アジアのフィレタエルス王朝がそれぞれ築き上げられました。第4の獣は(7:7~8)は、「恐ろしく、ものすごく、非常に強くて、大きな鉄のきばを持っており、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは前に現われたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた」と、これまでも獣のどう猛性を全て兼ね備えた得体のしれない恐ろしい獣ですが、それは先ずローマ帝国を意味しています。しかし、同時にそれは終末時代に登場する世界の支配体制を意味するものです。ローマは、それまで帝国とは異なり、イスラエルにローマの高官を遣わして徹底した支配体制をとりました。それまでの帝国は、侵略したイスラエルを、イスラエルの高官たちによって支配する事を許しました。イスラエルはAD70年ローマによって滅ぼされ、3分の1が虐殺、3分1が奴隷、3分の1が世界に離散し、イスラエルの長い長い苦しい苦しい離散の旅が続きました。終末に現れる第4の獣は、最初に「世界統一政府」となって現れます。「世界統一政府」は、今のロシアと親ロシアのイスラエム諸国と深い関係があります。年代は分かりませんが聖書は終末の時代に、ロシアを中心とした6っか国で編成された北の連合軍「ゴグ・マゴグ」のイスラエル侵略が起こると、、エゼキエル書38章29章で詳細に預言しています。しかし、イスラエルの神である全知全能の神は、地震、豪雨、疫病、流血、同士討ち、天からの火と硫黄などによって、その連合軍を悉く滅ぼされます。その結果、ゴグ・マゴグの北の連合軍に加わったロシアを初めトルコ、イラン、エチオピアなど6っか国は弱体化し、世界への影響力を失います。それにより、世界の勢力図が変わります。その結果、恐ろしい獣のどう猛性を持った「世界統一政府」により世界は支配されます。それをダニエルは次のように預言しています。「7:23 彼はこう言った。『第四の獣は地に起こる第四の国。これは、ほかのすべての国と異なり、全土を食い尽くし、これを踏みつけ、かみ砕く・・』・・」。ここで預言されている獣はローマではありません。ローマは地上の「全土」を支配した事はありません。「地上の全土を支配し、食いつくし、踏みつけ、かみ砕く」というのは、世界統一政府を意味しています。その統一政府に従わない者は徹底して弾圧受けます。しかし、「世界統一政府」は長続きしません。「世界統一政府」に代わって、10人の王が現れ、世界を10の国に分割します。それをダニエルは次のように教えています。「7:24十本の角は、この国から立つ十人の王・・」。しばらく世界は10の国の体制が続きますが、その体制も長続きしません。それは1人の特異な王が現れて、3人の王を打ち倒すからです。その結果、世界は一人の特異な王と7人王による支配体制となります。では、その1人の特異な王とは誰でしょう。7章8節では「小さな角」で登場しています。その小さな角は人間の目のような目を持ち、大きな事を語る口を持っていると教えられています。7章25節では、神さまに冒涜を吐き、神の聖徒と呼ばれるイスラエルの絶滅を図る事が預言されています。「7:25 彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする。彼は時と法則を変えようとし、聖徒たちは、ひと時とふた時と半時の間、彼の手にゆだねられる」。この25節の1人の特異な王は創世記3章15節で預言されている、メシヤを生んだイスラエルに敵対するサタンの息子反キリストだと分かります。反キリストは父である悪魔の世界支配の野望実現のために、7年の大艱難時代の後半3年半において、イスラエルの虐殺を始めるのです。その1人の特異な王である反キリストと7人の王による世界統治の時代に、パウロがテサロニケ第1の手紙5章3節でも教えている通りに、世界の人々が「平和だ、安全だ」という、一時的な偽りの平和な時が世界に訪れます。それによって反キリストへの世界の人々の信頼度がが一気に上がるのです。その時に、イスラエルは国の安全保障の為に全知全能の創造主の神さまを信じないで、反キリストに信頼してと安全保障条約を結びます。その不信仰なイスラエルと世界に対して神は怒り、7年の大艱難時代を来たらせ、世界の約4分3の人が死滅し、約4分3の自然が荒廃します。(ダニエル9:27、イザヤ28:14~22、黙示6章~18章)。7年の大艱難時代の後半3年半において、反キリストはイスラエルとの安全保障条約を破棄してイスラエル撲滅を図ります。その時に、反キリストの世界連合軍により3分2のイスラエルの人々が殺されます(ゼカリヤ13:8)。イスラエルは反キリストにより再び国を失い世界に離散しますが、その離散先は主に死海の南端地方にあるエドムの「ボツラ」です。そのボツラでイスラエルは3年半神さまによって守られます(黙示12:6、イザ34:1~11)。最後に、先祖がキリストを十字架につけた罪をイスラエルは全民族が心を一つにして悔い改め、復活のキリストに向かって「主の名によって来られる方に祝福あれ」と叫び求めます(マタイ23:39)。その叫びに応じてキリストは「白い雲に乗って」地上に再臨され(マタ26:64)、反キリストと彼の世界連合軍を口の剣である「息」によって悉く滅ぼし尽くされます(黙19:15)。その後に、キリストは戦争が一切ない1000年続く愛と平和に満ちたエデンの園が回復したような美しい自然の世界を実現されます。(イザヤ65:17~25、黙示20:1~6)。以上が、これからの世界に順番に起きる出来事です。繰り返しますと、①ロシアを中心としたゴグ・マゴグの北の連合軍によりイスラエル侵略。②世界統一政府の樹立、③10ケ国の世界体制、④反キリストの出現(一時的な偽り平和な世界の到来)⑤イスラエルが反キリストと安全保障条約締結、⑥7年の大艱難時代の到来、⑦キリストの再臨とスラエルを中心とした1000年メシヤ的王国の実現((黙20:1~6)です。 現代までにおいて実現しなければならない聖書の預言は全て実現しましたが、以上のダニエル書などの聖書が預言するこれから起こる世界の出来事も必ず実現します。間もなく地上再臨されるイエス・キリストが実現される「メシヤ的王国」の住民になれるのは、真理そのものであるイエス・キリストを「救い主」と信じた人だけに限定されています。あなたも、キリストをご自分の救い主として信じて「メシヤ的王国」の住民なる資格を取得してください。お祈りしています。